マラリアは1880年、アルジェリア駐在のフランス陸軍軍医シャルル・ラヴァランみよって発見され、1897年にイギリスの医師、ロナルド・ロスによって蚊がマラリア病原虫を媒介する事が発見された。
マラリアは亜熱帯地方で多くの患者を出しているのが特徴である。
マラリアの中でも、熱帯熱マラリアは早期に治療をしないと命さえ落としかねない危険な伝染病である。
感染者の数は世界100ヶ国、年間3~5億人、そのうち150~270万人が死亡していると言われている。
●原因
マラリラに感染したハマラダ蚊などの蚊に刺されて感染する。
マラリアは伝染病であることから、感染した人からの伝染を恐れる人がいるが、マラリアは血液中に滞在しているので、人から人への感染はほぼありえない。
必ずと言ってよいほど、蚊を媒介するのである。
しかし、感染源が蚊というのは、人から人への感染よりも厄介なところがある。
就寝中などは防ぎようがないからである。
今年(2014年)の夏、代々木公園でデング熱感染が話題となったが、その一件でもわかるように蚊がマラリアやデング熱に感染すると、まず一匹や二匹ではすまない。
代々木公園のように一か所に集中している状態であれば徹底的な殺虫作業で駆除もできるが、時間が経って拡散してしまうと手のつけようがなくなってしまう。
よって、マラリアやデング熱が発生した場合は、一刻も早い駆除作業が必要となるのだ。
●症状
7~20日間ほどの潜伏期間を経た後、発熱や頭痛・吐き気など、風邪に似た症状が現れる。
次第に3日~4日おきに発熱の症状が続き、放置すると脳性マラリアや急性じん不全、肺水腫など、様々な合併症を引き起こし、重症化すると命を落とす事もある。
マラリアは4種類に分類され、「三日熱」・「四日熱」・「卵形マラリア」・「熱帯熱」に分けられる。
中でも重症化しやすいのが熱帯熱だ。
感染した場合は、どの型に該当するのか、適切な診断を受ける必要がある。
風邪だと思い込んで放置しないこと、特に蚊に刺されて1週間~3週間以内に異常な症状に見舞われたら、医師に蚊に刺された事を告げる事が重要だ。
これを告げないと、見過ごさられる危険があるので、必ず申告するようにしよう。
●治療
マラリアは投薬治療で完治できる病気である。
一つ注意しなければいけないのが、前述の「型」によって薬の種類が違う事だ。
熱帯熱の場合だと、通常の薬が効かない事がある為、「型」の特定がとても重要となってくる。
尚、マラリアは感染症法に基づき、第四類感染症に指定されている。
感染した場合はただちに最寄りの保健所に届け出る必要がある。
届け出は医師の判断によってなされるが、亜熱帯地方などへ最近渡航し、発熱の症状が見られた場合は、必ず医師に告げるようにする事が大切だ。