結核の薬に対する免疫力の驚異

結核は、結核菌によって発症する伝染病である。
厄介な点は、感染者のくしゃみや咳などによって、飛沫感染してしまうところだ。

●結核の歴史
結核の歴史は古く、紀元前5000年ごろ、ドイツの墓から発見されたものが最古と言われている。
しかし、歴史上の結核を語る上では、17世紀にヨーロッパで大流行した結核が一般的に語られる事が多い。
結核菌の発見は、1982年3月24日、ドイツの医師(細菌学者)ロベルト・コッホによって発見された。
やがて、1931年にはフランスのカルメットとゲランによって、あの有名なワクチン、「BCG」が開発された。
その後、1944年には、アメリカの生物学者セルマン・エイブラハム・ワクスマンによって、世界初の結核治療薬「ストレプトマイシン」が開発された。
さらに1946年には「パラアミノサリチル酸」、1952 年には「イソニアジド」と次々に新薬が開発され、1960年にこれらの3薬を複合して投薬する事によって、結核は完全に治癒できる病気として確立された。

●症状
結核の初期症状は風邪によく似ており、はじめのうちは見落としがちとまってしまう。
くしゃみや咳などによって空気感染してしまう事から、非常に怖い病気である。
ただし、現在では適切な処置をすれば完治するので、昔のようにそれほど恐れる必要はない。
特徴として、咳がなかなか収まらない、胸痛、痰がひどく出るなどの症状が続き、長期間続く事である。
また、風邪薬が効かないので、2週間以上経っても治らない、風邪薬が効かないという場合、直ちに病院で受診するべきである。

●治療と問題点
結核の治療には抗生物質を服用する。
以前は結核に感染すると、他の人への感染を防ぐ為、隔離されたいた。
しかし、現在では薬も改良され、結核菌を完全に殺菌する薬が開発されているので、通院で治療できる場合がほとんどだ。
注意点として、症状が治まっても結核菌が体内から完全に消滅するまでは、薬の服用をやめてはならない。
途中でやめてしまうと、結核菌が免疫力をつけてしまい、その薬が効かなくなってしまうのだ。
さらに、その状態で他人に感染させてしまうと、その人もその薬が効かなくなってしまう為、医師の指示があるまでは必ず薬の服用を続ける必要があるので、覚えておいてもらいたい。

●注意点
結核は免疫力の低下によって発症する。
免疫力があるうちは白血球が殺菌するが、免疫力が低下してくると抑え付けられなくなり、発症する。
したがって、極端なダイエットや睡眠不足は絶対に避けなくてはならない。
また、結核は感染症法によって第二類感染症に指定されており、発症した場合は保健所に届け出る必要がある。
もちろん、医師の適切な診断が必要となるので、二週間以上風邪の症状が治まらない場合は、必ずその旨医師に伝え、適切な検査を受ける事が重要だ。